Thursday, December 30, 2010

2010年カウントダウン-その1

良い年の瀬を過ごしてますか?今年は釣りに関しても、私自身に関してもたくさんの経験・出来事が起こり、カード(日本の年賀状と同じ)を作らないことにしました。英語版のブログでは”メリークリスマス””ハッピー・ニュー・イヤー”を届けるため、今年の総括も兼ねて前半と後半二回に分けてポストしました(それぞれクリックしてください)。まったく同じ写真を使って、そのまま日本語訳にするのもつまらないし、モンタナから日本へ情報を発信している内に、ふと日本の新聞やテレビで年末にほぼ必ず行われる”今年の10大ニュース(スポーツ変)”とか”芸能ニュースランキング”など思い出したので、私もその形式で今年の釣りを振り返ってみました。魚の大きさだけでなく、経験と驚きも考慮してランキングを付けてみたらどうなるのか、結構悩みましたが、楽しかったです。ブログの構成上、まさしく”ダウン”に読んで行くので、まず上位5位を先に書いて、このポストをその上に10位から6位へのカウントダウンをしました。2ポスト続けて読んでみてください。その順位に複数づつ写真を付けました。

第10位キャンプ。今年の7、8月は、山間部の小さな川での1泊2日のキャンプを楽しみました。夏に山に入って、川をストッキングとブーツでジャブジャブ水に入って釣るのは純粋に楽しい。トラックに荷物を詰め込んだら、1日目の釣りの後は、誰もいないキャンプ場へ向かった。
私は釣りまくった日の夜にはクタクタになって、あまり食べない(その代わりランチは多目、またゲーターレードはがぶ飲み)。カナディアンウイスキーと各種ナッツをお供に、鳥と虫の鳴き声を聞きながら釣り日誌を書いたり、ランタンで本を読んだり、ゆっくり夜が更けていく時間が最高だった。
次の日の朝は割れないよう、悪くならないよう、しっかりアイスボックスに保存しておいた卵とハムでハムエッグを調理した。キャンプの食事はなぜか、下界でよりおいしく感じる。来年もキャンプ行けますように!!

第9位:21インチ(約53センチ)のホワイトフィッシュ。むしろ”やってしまった・・・・”、”何これ・・・・・・・”という意味ではおそらく今年一番・・・・・・・

「フライで、また川で上げられた固体としては、モンタナ州の記録であるかもしれない」、とガイドやフライ店の人々と話したものだ・・・・・

第8位:三倍体。 今年はワシントン州のスプリング・クリークでも爆釣した。これらは三倍体だから、繁殖しない代わりに食べまくって大きくなる。しかも、大変人気があるので混み合い、魚もスレまくっている。まあ私は必殺テクニックとフライを作り上げたから関係ないけど。
#20のミッジドライフライに出た大物。6Xで慎重かつ自信を持って上げた。
第7位:秋のマディソン。過去のポストで宣言してあるように、私はイエローストーン公園内のマディソンでの晩秋での釣りが大好きである。なので、できればもっと上位に行ってほしかったが、今年の10月末は暖かく晴れた日が多かったので、トラウトの溯上はあまり強くなかったうえ、たくさんの人だかり・・・・・・それなりに満足はしたけれど、2009年ほどではない、また今年の他のトラウト・経験と比べて、 客観的にやや印象に劣る気がしたから7位。

何はともあれ、もう何度も登場したように、今年最後、11月6日のトラウト。自らデザインした大型ソフトハックルで終われたことは、素直にうれしい。なので来年こそ、もっと数も大きさも伸びますように!!!
第6位:グレイリング。グレイリングとその日の釣りは先日もうポストしましたね。 本当に思い出深い日でした。

本当に愛くるしい希少種です。またカスケード・レイクにハイキングしたいな~~
それでは、下のポストは第1位へのカウントダウンです。

2010年カウントダウン-その2

第5位:ドライフライでマッチ・ザ・ハッチ。マディソンではどのセクションでも、どの季節でもニンフとストリーマーがトラウトへの近道だが、ハッチが始まって、トラウトがあちらこちらライズし始める光景はたまらない。その中に踏み入ってドライフライでの釣りは、しばしば釣り人のフラストレーションを引き起こすが、今シーズン私はフラストレーションより楽しみの方を多く経験できた。しかも、マディソンのイエローストーン公園内で経験できたことは、私の釣りの経験と自信を高めてくれた。まずはカディスで。

そして一番有名メイフライのPale Morning Dunのハッチでも。

第4位:困難を乗り越えたファイアーホールのハッチ。6月末のファイアーホール川でのある特殊なカディスのハッチへの遭遇とその謎と困難を乗り越えた経験は、第5位のマディソンでのハッチよりさらに大きなドライフライでの経験となった。詳細はいずれ”好きな川”シリーズでポストします。30cmのレインボーを釣るのに何度キャストしたことか。

また同じクラスのブラウンをその日の夕刻がせまる最後の最後で上げたときは、集中が途切れて、喜ぶ前にホッとした達成感・安堵感に報われた。

第3位:リヴィングストンのスプリング・クリーク。今年もやはりリヴィングストンのスプリング・クリークは期待を裏切らなかった。「そんな短い川にわざわざアクセス料金を何度も払って楽しいの?」と思われる方もいるかもしれないが、すぐ下のアームストロングへの感想を込めたポストをもう一度読んでくださいよ。まず4月上旬、イエローストーン川のアームストロング側の岸から対岸に位置するネルソンにて。
そして11月3日にはアームストロングを独占して、澄み切った大空の元、平和かつ伝統的な牧場の景色に囲まれながら楽しい日を過ごした。来年はもっと訪ねることになるのは間違いナシ!!

第2位:大き目カットスロート。ワシントン州での生活と釣りは、モンタナへの釣行の準備と練習でしかなかったが、本気で大物だけを追いかけてみた。大きめカットスロートが姿を見せ始めた。

これは今までの釣りの経験において、最大のカットスロートで、かつ 最もかっこいい面構えのトラウトのひとつ。魚体、斑点、黄金とピンクのエラと腹、そして鮮やかなオレンジのスラッシュ、どれをとっても完璧な芸術だ。

そして今年最も印象に残った経験は・・・・・・・ 何これ?トラウト?

第1位:アクシデントでキング・サーモン。第2位の大きめカットスロートを狙っていた同じ川で偶然にも34インチ=86センチものキング・サーモンを上げた!!しかも6番ロッドで!!

アクシデントとはいえ、起こるべくして起こった偶然だと断言できる。私は6番ロッドとシンキングラインとストリーマーで大物トラウトのみを狙う釣り方をしていたのだ。リーダーは確実にフックしてしっかりファイトできるよう合計5フィートくらい、下の2フィートは15ポンドにしておいたのだ。魚の体重推測公式によると、15ポンド=6.8キロだったが、両手に感じたら20ポンド=9.5キロくらいあったと思う。

いやー今年は本当に釣りまくった。来年はさらにもっとできますよう。
それでは、皆さん良いお正月を迎えてください。

Monday, December 27, 2010

アームストロング・スプリング・クリーク

モンタナに住む人々にとってもオヘア牧場を流れるアームストロング・スプリング・クリークは特別な場所である。本物の牧場とフライフィッシングを同時に経験できる、これほどアメリカ西部の象徴はないであろう。私の家からたったの10分の距離!!ホームページはここをクリック。 アームストロング氏は19世紀後半の開拓時代に、この地域に定住した最初の白人の何人かだったそうだ。豊富な湧き水(=スプリング)を元に、牧場を始めた。もう何世代も同じ家族が牧場を運営し、その過程で、オヘア家になったそうな。かつては訪ねる人々に無料で釣りをさせていたようだが、たくさんの人々が訪れるようになったため、人数制限(1日12人まで)とアクセス料を取るようにしたらしい。そして払う価値大有り!!
日本の管理釣り場とは違う。放流は行われず、キャッチ・アンド・リリース。トラウトは自然繁殖していて、魚の数も豊富。御覧のように、水生植物が豊富だから、たくさんのメイフライ、ミッジ、淡水エビ、ヒル、カジカが存在する。つまりトラウトは食べる物に事欠かない。なので彼らは他の河川と比べて健康的かつ丸々太っている!!

牧場の牛以外にもたくさんの野生動物が存在する。

このかわいい小鹿は牧草で昼寝をしていた。釣りの移動中に気付かず起してしまって、悪い気がした。

それでは、肝心の釣りの方は・・・・・ トラウトはレインボーとブラウンが半々だと思う。カットスロートもごく稀に報告されている。 大体平均14から16インチ(35から40cm)でさらに大きい固体も存在する。上記のように丸々ではないですか?そして魚体の色付きがたまらない。私の意見と経験では、他の河川のトラウトと比べ、アームストロングのトラウトは太っているので常に1インチ(2.54cm)大きく見える、また1インチも2インチも大きいのではないかと思わせるようにフライに噛み付いてくる(つまり15~16インチなのに18インチクラスのように感じる)。
彼らは大変鋭い歯を持っているので、フライを外すとき注意が必要!!小さなミッジを6Xティペットでスイングしてなかなかのレインボーが来た。

そして大物ブラウン!! 今の所私の記録である20インチ。さらに大きい固体がしばしば報告されている。この芸術的な赤い斑点と黄金の腹!!スプリング・クリークならではのブラウンである!!!

私の2番目の記録は今年の11月3日(ちょうどこの日本語版ブログを立ち上げる前だったので、私の英語版のポストはこちら)。正確に測ってないが18~19インチのブラウン。


常にこんな大物を上げるのにはどうすればいいか?地元では公然の秘密が私の英語版ブログにもう何度も登場していますよ!!

アームストロングは約2kmほどで1日12人まで。予約制で1年中オープンです。料金は10月15日から4月14日まで1日1人当たり40ドル、4月15日から6月14日まで同75ドル、6月15日から9月14日まで同100ドル、そして9月15日から10月14日まで同75ドル。夏に高いのは超有名なメイフライのハッチが起こり、1日中”ドライフライ天国”になるからですよ!!

私個人的にはやはり1日40ドルの時期の春先と晩秋の釣りが好きですね。料金が低いだけでなく、それらの時期は他の釣り人があまりいないのですよ。上の11月3日は私1人だけでクリーク全体を独占してしまいました!!

オヘア牧場のアクセス料は、日本の管理釣り場料金や1日の遊漁券に比べたら(アメリカに比べてとにかく高い!!)、それほどでもないでしょう?牧場経営、特にオヘア牧場のような家族による経営は、最近アメリカ西部でも少なくなっているのが現状です。ただ伝統にしがみついているだけでは、今の時代もう駄目なのです。私は牛の人工授精師ですから、私の目からして、オヘア牧場の肉牛はとてもいい状態です。しかしこの厳しい時代において、オヘア家の方々がこれからも何世代も牧場とクリークを経営できるよう、さらなる釣り人が訪れられるよう、私が払うアクセス料金が少しでもその役に立てればと思います。

”死ぬ前に一度・・・・・”といっても決して過言ではない、アームストロング。満足度は100%保障されてます!!また、日本の皆さんが絶対好きになることも約束します!!

Thursday, December 23, 2010

モンタナあれこれ

メリークリスマス!!
どんな地域・宗教・慣習であっても、年の終わりはゆっくり過ごしたいですよね。フライド・チキンやロースト・ビーフなど何かおいしいもの食べる季節ですね。

マディソン川以外のモンタナの河川を紹介する前に、ぜひ日本の皆様に知っていただきたいことがあります。
まず、モンタナと日本全国はほぼ同じ面積なのを御存知ですか?
それでいて、モンタナの人口は2010年の国勢調査においても、なんと100万人以下!!
日本では・・・・・・・・同じ面積に1億3千万人ですか?・・・・・・・東京にその10%?

逆にモンタナには2百60万頭もの肉牛が飼育されているのですよ。つまり、モンタナ州に住む人口の約3倍の肉牛がいる訳です。

上の写真は私がしばしば釣りに訪れるオヘア牧場のアンガス種の牝牛と子牛の群れ。アンガス種は黒毛和牛に似てます。アメリカ全土で一番広まっている品種です。日本の和牛ほどではないですが、霜降り肉を期待できるよう常に改良されている品種です(牛肉消費の高いアメリカでは、和牛の霜降り肉はおいしいけれど脂肪が多すぎるとしばしば討論されています)。アメリカ全土において、モンタナ州はアンガス種を飼育している最大の州です。なので、モンタナではハンバーガーでもステーキでもロースト・ビーフでも地元生産による大変おいしいものを食べられます。

日本でもマクドナルドやデニーズや吉野家など諸々のチェインで食べられるでしょう。それはアメリカでも同じです。でも本当においしい牛肉にかぶりつきたいなら、やはりモンタナが一番。

次のポストはオヘア牧場を流れるアームストロング・スプリング・クリークです。

Sunday, December 19, 2010

マディソン:ドリフト・ボート

Lyons Bridge(ライオンズ・ブリッジ)から下流ではボートでの釣りが解禁になる。前回のポストに書いたように"50-mile Riffle"と呼ばれる速い流れを下りながらの釣りは超エキサイティング!!次から次へと好ポイントが現れる。初めての日、どんな風に釣るのかわからなかったが、優秀なガイドさんのおかげでマディソンの川下りの楽しさに病み付きになってしまった。基本的には下流45度へのリーチ・キャストの連続。私はドライでもニンフでもストリーマーでもどんな釣り方も好きだが、この日のように、ドライフライに大きく元気なトラウトがライズすると、やはり純粋に楽しい。この日のハッチは松食いの”ガ”。これらのガは森林環境の点からは嫌われているが、トラウトは大好きなのである。マディソンでの、このサイズのレインボーは元気がよくてドンドンラインを引き出していく。

一日中ボートから釣るわけではなく、場所においては、ボートを停めて、ウェーディングして釣ることもしばしばある。

これはマディソンでは大きなクラスに入るであろう。

こんな大きなトラウトが大き目のドライにライズしてくるなんて、ハッピー!!

今年の6月の釣行の最後のころ、駐車場所で知り合った私同様旅釣り師と意気投合して、午後だけ簡単にフロートした。

ボートでの釣りは、ガイドとでも友達とやるにしても、チーム・プレーです。うまくいけば、1+1が2以上になるのですね!!
これで、4回に渡ったマディソンの紹介は一休みして、次からは他の川について書いていこうと思います。マディソンは何回釣っても飽きないけれど、何回も書いたり、読んだりするのは飽きちゃいますからね!!

Saturday, December 18, 2010

マディソン:ウェーディングセクション

クエイク湖を形成した土砂崩れは、マディソン川を完全に堰き止めた訳ではなく、滝にちょっとだけ傾斜がついた様な激しい流れを形成し、かつ河原は切り立った大きな岩ばかり。この光景はとても脅威的である。そして流れがやや平らになる辺りから、下流の町エニス(Ennis)まで"50-mile Riffle"(80kmの早瀬)と呼ばれる。とにかく速い!!休み無しで一気に駆け抜ける川、こんなのはマディソンだけである。初めて車で近くを運転したとき、「こんなのどうやって釣るんだろう?本当にトラウトいるの?」と思ったものである。しかし、本を読んだり、ガイドを雇ってかつ自分でも習っていく内に、わかって来た。そして自信と確信になった(だからガイドになろうと決意したのですけど)。日本には無いこんな大きい川を通して習ったことは、大きい川は小さな川の集合であるということ。つまり部分づつに切っていって、ポイントをしぼればいいのだ。「木を見て森を見ない」というが、マディソンやイエローストーン川に面すると、日本人アングラーは「森を見て木を見ない」つまり大河という森を見てしまって(かつ威嚇されて)、数々の小さなポイント=木を見られなくなってしまうと気づいた。簡単かつ誰にでも起こる例として、「10m先の岩の後ろにキャストしたいから、3mくらいウェードしてみよう」とすると、その一歩目に45cmクラスのトラウトを驚かせてしまう、なんてことがしばしばある。言葉では言い表せない。そんなマディソンでの数々の経験が私の釣りの態度・知識をシェイプアップしてくれて今に至るのである。
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80kmにも及ぶ速い流れの内、始めの16km程はウェーディングによる釣りだけで、ボートを降ろせるけど、ボートからの釣りは禁止。まず最も人気のあるアクセスのひとつであるレイノルズ・パス(という名の橋)がある。5月末の雪解け水による濁りと高水位の状況の中、経験豊富なガイドさんのおかげで、丸々健康なブラウンを釣った。これは私の釣りのスタイルが形成されていった時期だ。

秋には綺麗に色づいたブラウンが釣れる。

レイノルズから3kmほど下流にはまたしても公共にオープンなアクセスがある。一般的に"$3 Bridge"(3ドル・ブリッジ)と呼ばれる。というのは、この辺は住宅地やリゾートの開発とそれによる私有地独占を防ぐため、今現在土地を所有する牧場主と環境保護団体をサポートするため、つまり公共の釣り場を維持するため、駐車場にある金庫に3ドルを納めるのだ。まあ私は常に金庫の対岸に駐車してこちら側を釣るのでわざわざ歩いていけないけれど・・・・・・・・・・・・・・・(笑)

典型的なマディソンのレインボー。ほとんどのキャッチは35から40cmの固体。

ホワイトフィッシュもお忘れなく。

もちろん40cm以上のトラウトもたくさんいる。ドライフライ、ニンフ、ストリーマーどれにでも可能性はあるが、7月と8月の夜遅くまで(10時過ぎまで!!)大き目のトラウトはメイフライやカディスにライズするのである。この盛り上がった背中!!

$3ブリッジの駐車場の真下で、暗闇の中メイフライのスピナーのウェットフライをスイングしたら、45cmのレインボーがガブリと来た!!このポイントは日中たくさんの人々が歩いてかつ騒いでいる場所でとても釣りにはならない。でも夜にはこんな大きなトラウトでも警戒心を下げて岸辺のゆったりとした場所に来るのである。

さらに下流に行くと、Pine Butte(パイン・ビュート)というセクションがある。パインとは写真に見えるよう松ノ木のこと。 このセクションはあまり人気がない。もし他の釣り人がいても、たいてい1時間以内にあきらめて他の場所へ行ってしまう。というのは、たいていの人々はどうやって釣ればいいのかわからないまま、上流同様たくさんのトラウトがいるのにあきらめてしまうのだ。決して釣りが難しい訳ではない。ただ、どうやって流れを読んでポイントを絞っていくのか。だからこのセクションはあまり人を引き付けない。

2008年の誕生日にこのセクションを釣り上がって、ドライフライでその日の最初のライズにしっかり合わせたブラウントラウト。マディソンが誕生日を祝ってくれたみたいで本当にうれしかった。

このウェーディング・セクションを釣るのに一番楽しい時期は実は7月と8月なのです。夏休みの人々がたくさんいるだろう、と思う方もいるかもしれませんが、マディソンにおいて本当に狂想曲な時期は6月末と7月初め。この時期は大き目のカワゲラがハッチするというので、アメリカ中からたくさんの知ったかぶりの釣り人が訪れるので本当に人だかり。それでいて誰も釣れない!!という状況になる訳です。逆に盛夏になるとイエローストーン公園近郊へのキャンプやハイキングを楽しむ人々は増えても、マディソンを釣る人々は逆に少なくなっていきます。ただロッドを振るってむしろ水浴びを楽しんでいる人々ばかりで、真剣にフライフィッシングをしているならたくさんのスペースがあります。
釣りでも観光でもその他人生における何でも、観察・洞察は大切ですね!!!

Tuesday, December 14, 2010

グレイリング

Grayling=グレイリングを御存知ですか?アラスカとカナダには分布してますが、アメリカ本土では、イエローストーン国立公園内の一部の流域にしか存在しない超希少種です。あの背びれをぜひ自分の目で見たくて。
このポストは基本的に英語版で7月のポストの日本語訳です。今年6月末の釣行の1日で、感情の起伏が激しい日々だったので、思いで深い日になりました。

まず行き先は、Cascade Lake=カスケード・レイク。どうしてもグレイリングを釣りたかったので、いろいろ調べてかつ散々迷ったのですが、カスケードをやってみようと前の晩に決めて、当日の朝は体調は普通で、いざ公園内へ運転。しかし、公園の一部の道路が大補修工事の真っ最中。去年から続いているのですよ!!!30分以上待たされたうえに低速運転なので、朝一番予定が狂って、感情的には”怒”。

なんとか登山道への駐車場に辿り着いて、ウェーダーを着て、釣り具を用意して、バックパックにサンドイッチなど昼食を詰めて、40分・3kmほどのハイキングを開始。 しかし、駐車場に何台か車があったので「釣り人もう何人か入ってるのかな」と、またこの辺は熊が活発らしいので感情的には”不安”。

しかし、途中見た人々はハイキングを楽しんでる人ばかりで、釣り人は皆無でした。熊鈴や歌を歌わなくても、熊の気配はなかったので、ちょっと”安心”。
そしていざ、湖についたら、なんと?????ライズ??湖で釣る、また絶対にどんな手段でもグレイリングを釣ると決心していたので、前の晩に用意したフライは、6番ロッドで釣る淡水エビ、ヒル、カジカ、ミミズなどパターンばかり。ドライフライはアトラクターしか持ってない・・・・・・・・・・どうする???
湖には大量のミッジがハッチしていた。これは成虫。
後ほど交配が始まった。
6番ロッドのリーダー・ティペットは6Xまでに急造したが、せっかくここまで来て、たくさん魚がライズしているのに、フライがない。どうしよう?さらに風が強くなってきた。感情的には”不安”を通り越して”がっかり”と”あきらめ”・・・・・・・・・ こんな時、あのフライがあれば・・・・・・・
イエローストーンの有名フライ店・Blue Ribbon Flies(ブルー・リボン・フライズ)から習ったミッジパターン。
ブルー・リボン?オーナーのクレイグさんが上のミッジを発明した?クレイグさん?クレイグさんは常に秘密のボックスをベストに携帯しておくらしい?ブルー・リボンのみで買える手作り通し番号入りの限定ダッチ・ボックス?そうだ!!私も今年の初めにダッチ・ボックスを買って、自分なりの秘密のボックスになるよう、最も信頼できるフライをそれぞれたったのひとつだけ巻いて、ボックスを埋めたではないか!!そして今、私の心臓の真ん前にある!!突然、胸が重く感じた!!!!
風は強くなり、キャスティングは難しくなったが、逆に湖の表面が波立ってきたので、ウェーディングでライズへの距離を縮めることができた。そして、上のミッジの一投目に遂に出た!!

この瞬間、全てが報われた気がした。様々な感情が入り乱れたが、ついに”満足”。大きな背びれに触ることができた。

逆側からも。 この大きな背びれは水から出ると、すぐ縮んでしまう。

この後、上のたったひとつのミッジ・パターンでたくさんグレイリングを釣り上げることができました。この最初のグレイリングが30cmと一番大きかったですね。4番ロッドで釣ればもっと楽しかったかもしれませんが、何はともあれ、目標が達成できて、うれしかったです。

ブラウン、レインボー、カットスロートだけでなくグレイリングも狙いに来てください!!