7月20日、リヴィングストンの自宅を午前4時ちょっと過ぎに出発し、パラダイス・ヴァリーとイエローストーン国立公園を運転した。野生動物を見たがる観光・旅行者による交通渋滞を避けるためだ。目的地に着いた。車を停めた場所は違うが、2年前と同じ区間。イエローストーン川の湖の下流から滝までの区間だ。北アメリカにおいて、最も美しくかつ「フライフィッシングが絵になる」川のひとつだ。
7月15日の解禁日からたったの6日目。真のネイティブかつ超大型イエローストーン・カットスロートに出会えるか、挑戦してみたかった。これは決して簡単なことではない。少なくとも、はるか下流のモンタナ区間で観察されているよう、今年は低水量だということだ。これが、釣り・トラウト・ハッチ等に影響を与えるのだろか?実験と調節、習うことと観察すること、そして忍耐、集中、へこたれない気力・・・・・・・・これらの言葉を一日中咀嚼し続けた・・・・・・。自分にとって、「フライフィッシングとは何か」を再考させられ、そして、「北アメリカにおいて最長のダムの無い自由に気ままに流れる川」をなんとか理解しようと考えを巡らせた日となった。
川とその周辺にはたくさんの水生昆虫がハッチしていた!!・・・・・ライズはどこ?
カットスロートが潜伏しているであろう場所をニンフで探った!・・・・当たりがない?
有効でないフライで、不良な場所を釣っているのか?
ついには、愚かにも-自分内にとどめておくべきかもしれないが!-「ここに魚いるのか!?」、「レイク・トラウト、熊、ペリカンによって全滅させられたんじゃねーのか!?」などと思い始めた。
この禅問答が一日中頭の中で続いた・・・・・。
ふと、当たりが来た!あまり大きくはなかったが、また寄せてるときに外れてしまったが、カットスロートだった。
これで実質‟ボウズ”は免れたわけだ・・・同時に何かヒントをつかんだ気がした。
午前中、少しだけ釣った場所に戻った。川の向こう岸では、3人組の内2人が当たっていた(その内1尾は無事ネットされ写真収められた様子だった)。心から彼らに拍手したかったし、同時に「この辺に絶対いる!」と自分に言い聞かせた!(こんなばかげた言い分は自分の中に留めておくべきだが、フライフィッシャーの感情を正直に話さずにはいられない)。
そして、作戦とフライの見せ方を変えた。この日、本当に初めて、しっかりとした手ごたえを感じた!流れと深さからして、岩・石に引っかかっているはずはなかった。魚体が光った!やった!ついにつながった!
瞬く間に次の難問がやってきた。コイツラはこの川の強い流れを自分たちのアドヴァンテージにする術を知っている。文字通り綱引きのやり取りで、なおかつ転ばずに下流に追いかけねばならない。
私の神経と仕掛け(フライ、ノット、リーダー等)は持ち応えた・・・・・。
私は、この辺で何十年も釣りもガイドもしているわけではないが、今年は確実におかしな年だ、といって差し支えないだろう。1番の要素は、水量だ。1世紀ほどの統計において、最低部類の数値を記録している。カットスロートの個体数は回復しつつある。また私の写真や、他の釣り人が釣った個体を見ても、カットスロートの体調は極めて良好だとわかるだろう。これは私の推測に過ぎないが、まずカットスロートは例年通り湖から下流に下り、産卵し、回復したのだろう。次に、大部分のカットスロートは、この例年より遥かに低い水量と流れをいいことに、あるいは、彼らにとって十分な隠れ場所がないと判断したのだろうか、さっさとかつかつ容易に、レ・ハーディー・ラピッヅを昇って、湖(かすぐ下流)まで泳いでいってしまったのではないだろうか。次に例年通りの時期に水生昆虫がハッチしても、ライズするであろうトラウトはもう通り過ぎた後であったと・・・・
これはあくまで私自らの経験と、その他数人の釣り人からの情報による推論だ。間違っているかもしれない。ライズを見た、そして実際ドライフライで釣ったと主張する釣り人もいるだろう。この日私にはそんな状況が全くなかったということだ。
また、自分自身に、私のクライアントに、またこのブログの読者にも実証した。私が、実験と調節、習うことと観察すること、そして忍耐、集中、へこたれない気力、と口にしたら、本気でそれらを意味しているということ!!言うが易し、するは難し・・・その通り。それでも、自分を奮い立たせた。だからこそ、最後の最後に報われたのだと信じている。
夜明け前の旅人はまたあるのだろうか?多分・・・・
どこに向かうの?考え中・・・・
こうご期待!
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