Friday, December 3, 2010

マディソン・リバー:イエローストーン公園内

一番好きな川はどこか?と訊かれたら、迷いなくマディソンと答えるであろう。リヴィングストンに住むフライ・アングラーとしては、イエローストーン川とスプリング・クリークを日本の皆さんにアピールすべきだが、それでもマディソン。マディソンでの経験こそ私の釣りの技術と知識を高めてくれた。一言にマディソンと言っても様々なセクションがあり、それらの各々の場所において、また季節によって異なる様々な釣り方を求められる。

このポストでは、マディソンのイエローストーン国立公園内(Madison in the Parkと言われる)の流れについて皆さんに紹介したいです。公園内の流れは、22km=14マイルほど。写真左側を流れているギボン・リバーと右側のファイアーホール・リバー(これら二つの川も後ほど紹介したいです)が合流してマディソンは生まれる。この場所はMadison JunctionまたはJunction Poolと呼ばれる。


ここから下流へ11km=7マイルは草原の中をゆっくり流れていき、世界最大のチョーク・ストリームと言われている。道路はほぼ川に沿っているので、アクセスは簡単つまりたくさんの釣り人を集める。しかし、釣りは決して簡単ではない。たくさん釣り人がいるからトラウトが怯えているのではないかと、思われる方々もいらっしゃるだろうが、そうではない。むしろ大自然でのキャッチ&リリースなので、トラウトの個体数は豊富である。それでも決して簡単には釣れない。季節に応じたハッチとフライパターンを学ばねばならず、そのうえ水の流れとポイントを読み、慎重にアプローチせねばならない。このセクションを釣っている人々の中たったの20%のみが実際に魚をあげている、と言われる。積み上げた経験により、私は幸運にもこのセクションで常にトラウトを上げられるようになった。

初夏の6月にハッチするサイズ14と大き目のカディス。White Millerと呼ばれる。


そして最も有名であろうメイフライ=Pale Morning Dunのハッチ。写真は私のウェイダーに流れ着いたニンフ。

トラウトはドライフライにライズし、 釣り人もライズに一喜一憂するが、大き目のトラウトはちょうど浮き上がってくるニンフを水面すれすれで”スライス”するのである。いわゆるフローティング・ニンフの釣りは決まると快感である。

ハッチが無かったり、ハッチの前後のゆっくりした時間なら、マディソンのトラウトにはもちろんストリーマー が効く。たったの40cmくらいのブラウンだったが、私の10cmのストリーマーをガブリ!!

そしてニンフを忘れてはならない。サイズ2から18くらいまで、効果的なパターンを常に携帯すべきである。特に最も有名かつ効果的かつ興奮するのが、サイズ2から6のカワゲラ(Stonefly)のニンフ釣りでトラウトが魚体に関わらずガブリと来るとき。ストリーマー同様春から秋までマディソンでのニンフは重要である。写真はそんなニンフでのブラウンで、一般の観光の人々がちょうど駐車していた前で上げた。彼らがわざわざ私のところまで歩いてきてくれて写真を撮ってくれた。公園内の人混みはしばしば耐え難いときもあるが、観光の人々にでも他の釣り人にでも見せ付けるのは逆に快感。

次の7マイルになるとチョーク・ストリームの様相と魚影は薄くなっていく。しかし秋になるとヘブゲン湖から産卵のため溯上してくるブラウンとレインボーを狙って、たくさんの釣り人が訪れる。公園の西側に位置する出入り管理の門からすぐには、Barns Poolと呼ばれる明らかな超絶好ポイントがある。つまりたくさんの釣り人が集まる。下の写真のように、駐車場は常に満員。まあでも、近くで釣っていた人が写真を撮ってくれた。

そして伝説的かつ伝統的な大型ソフトハックルのスイング。Shakey Beeleyという1940年代のレンジャーと彼のフライなど様々な逸話とフライパターンがこれまで生み出されてきた。正直言って、晩秋のマディソンでソフトハックルをスイングするだけで心が満たされてしまう。なのでトラウトを感じたら、さらに興奮するので決して忘れない思い出となるのである。この丸々太ったレインボーは私自らデザインした大型ソフトハックルで上げた。

タイミングと状況が合えば ブラウンだって大型ソフトハックルを無視することはできない。

そして今シーズンの締めは11月6日またしても私のデザインでレインボーを上げた。今月も釣りに行って、人生初めて一年中毎月フライフィッシング完走したいけれど、このレインボーが今年最後のトラウトになってもいいかなと思っている。

ここまで、書いてもまだまだ話足らない。またもっともっと載せたい写真がある。
私にとって、マディソン、特にイエローストーン公園内は、本当に言葉では言い表せない川です。
”百聞は一見に如かず”。英語では”Seeing is believing"(見ることとは信じること)なので、日本の皆さん、いつの日かぜひマディソンを経験してください。

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