Friday, January 7, 2011

カットスロート・トラウト

新年明けましておめでとうございます。
私とスイートウォーター社連名のカタログとあいさつ届きましたか?興味本位で結構ですから、お気軽に質問や世間話のメールや電話なさってください。

今年はまだ”書初め”ならぬ、”釣り初め”をしていません。家の中でたくさん本を読んで、また来たるシーズンに備えてたくさんフライを巻いてます。そろそろ体がうずいてくるでしょう。

さて、日本でカットスロートは管理釣り場でお目にかかれますか?極稀でしょう。カットスロートとはCUT(切れた)THROAT(喉)の意味で、アゴの下の鮮やかなオレンジの線のことです。モンタナ州の州魚です。まずアメリカ西部において、カットスロートは本当にネイティヴのトラウトで、ブラウンやレインボーが輸入・放流される前から存在しているのです。また一言にカットスロートと言っても、たくさんの亜種が存在するのです。モンタナで釣れるのは2種類。モンタナ州の釣りルールブックからの抜粋です。


まずはイエローストーン・カットスロート。その名の通り、イエローストーン国立公園のイエローストーン川とその流域にしか存在しない超希少種です。モンタナの他、イエローストーン公園に隣接するワイオミング州とアイダホ州にも存在します。ここリヴィングストンを流れるイエローストーン川でも、地図のように、公園から下流のセクションにのみ存在します。

特徴と言えば、オレンジのスラッシュの他、腹部全体が黄色または黄金であること。

こんなに小さくてもれっきとしたイエローストーン・カット。イエローストーン公園内の流れでは60cm以上の固体が存在するのですよ!!

次はウェストスロープ・カットスロート。地図のように、モンタナの西部からワシントン州の太平洋側まで分布しています。
先日のカウントダウンにも登場した超ハンサムかつ今の所一番大きいカットスロート(45cm)。

イエローストーン・カットに比べて、ウェストスロープ・カットは腹部がピンクなのが特徴ですね。

モンタナでも両カットスロート種は絶滅寸前までは行ってませんが、特別な保護の元にあります。キャッチ・アンド・リリースはもちろんですが、まずブラウン・レインボー・ブルックと比べ養殖・放流がとても難しいのです。そしてカットスロートは繁殖時期の重なるレインボーと交雑してしまい、交雑した固体=カット・ボーと呼ばれる=は、繁殖能力が無いのでカットスロートの固体は減少しているのが現実なのです。さらには、イエローストーン公園内のイエローストーン・レイクに何者かが密かにレイク・トラウトを放流したため、イエローストーン・カットはレイク・トラウトに捕食されてしまっていて、今現在レイク・トラウトの駆除運動が行われています。イエローストーン・レイクでレイク・トラウトを釣ったら、食用に持ち帰らなければなりません。食べたくないなら、肺に穴を空けて殺してから湖に沈めなければならないのです(岸辺にほったらかしにしておくと、熊が御馳走にありつく癖を付けてしまうので)。

カットスロートはグレイリングと同じくとっても愛くるしいトラウトです。陽気にドライフライにライズしてくる光景は最高です。また大きい固体になると、レインボーやブラウン同様ストリーマーに噛み付いてきます。

日本では滅多に見れない希少種、大きさに関わらずぜひ狙いに来てください!!

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