Wednesday, March 30, 2011

フォーム・フライ -その2

カットスロートのポスト同様、過去のフォーム・フライのポストも日本の皆様からクリックされてるようなので、自ら巻いたその他のフォームによるパターンを紹介したいと思います。いくつかは、私のセールス・ブログで売り出していますので、興味があったらご連絡ください。 フォームと言えばやはりテレストリアル(陸上昆虫)で、モンタナで釣り人もトラウトも狂想曲に落居ってしまうのはやはり真夏に人気のバッタですね。このパターンの足は四角に切られたゴムを使っています。 飛びアリですね。アリは黒いので私達にとっては水面で見ずらいのですが、トラウトにとっては実はバッタやコオロギなどより小さいけれど、その代わりたくさん口に入りやすい捕食物なのです。このパターンは視認性の高い特殊な虎柄のフォームを使って巻いてあります。
そして甲虫。テレストリアルというと、ほとんどの人が夏に大きめのバッタでの釣りを想像してしまいますが、上記のアリと甲虫はトラウトにとって一年中の大好物なのです。これも虎柄のフォームて巻かれ、トラウトは水面下からおいしそうな甲虫の足やボディーを見ているけど、我々にとって視認性の高いオレンジのラインは見えてないんですよね!!


サイズ19の甲虫も大変有効なのです。同じく虎柄に巻かれております。


ハチもトラウトの重要な捕食物です。おそらくトラウトは刺されるのを感じる前に飲み込んでしまうのでしょう。ハチが川に沿ってたくさん観察される状況なら、トラウトは水面下から常に機会を伺っているのです。


大きいカワゲラのパターンもフォームで模倣できます。


小さく切れば、メイフライのニンフにも応用できます。フォームの浮力と盛り上がった感じはちょうど水面に上がってきて羽化寸前のニンフをドライフライとして釣る場合に最適です。これはフェザントテイル・ニンフの改良ヴァージョンで、ここモンタナで最も有名なPale Morning Dun(ペイル・モーニング・ダン)のニンフです。改めて、ニンフだけど、ドライフライとして釣るのです!!


同じ要領で巻いた小さい種類のメイフライのニンフ。サイズ20番以下で、こちらではBlue Wing Olive(ブルー・ウイング・オリーヴ)と呼ばれます。春先と晩秋という、我々人間にとってもトラウトにとって挑戦的な時期にハッチして、なおかつ挑戦的な状況を提供するメイフライなのです。スプリング・クリークはもちろん、マディソンやギャラティンやイエローストーンなどの大河でもこの小さなメイフライは多数にハッチしてトラウトはライズするのですよ。




もしこれらのフライに興味がありましたら、ご連絡ください。サンプルを無料で送らせていただきます。



また私がガイドする地域のハッチの表や有効なフライのリストを作成中なので、まとまり次第日本の皆様にメールしたいと思ってます。日本語、英語、ラテン語表記をうまくまとめようと、それでいてできるだけたくさんの写真を載せたいので今頭をひねっております。

Monday, March 21, 2011

釣り後観光ドライブ

ビッグホーン川での釣り合宿の後、空港まで他の参加者を車で送らなくてよいことになったので(私と同じく車で来た別の参加者が担当しました)、リトル・ビッグホーン戦場という国立記念碑に寄ってきました。ここに初めて寄ったのは2002年にコロラド州立大学での学会に参加した帰り道で、当時はかなり中古のトヨタ・ターセルを運転していて、カメラはもちろんインスタントでした。
さてこの戦場とアメリカ西部の歴史について簡単に説明すると、1860年代の南北戦争の後、ヨーロッパからの白人の移民がアメリカ大陸を西へ西へと土地や鉱山などと求めて開拓していったわけです。各々のネイティヴ・アメリカン(インディアン)の部族は彼らの領域を勝手に奪われ、居留地に追いやられていったのです。さらなる拡大と部族の征圧を試みた軍隊ともう耐え切れない怒りに満ちたいくつかの部族がこの地でぶつかって、ネイティヴ部族側がカスター将軍の第七騎兵隊をほぼ全滅に追いやったのです。戦いは1876年6月25日から26日まで続きました。1800のネイティヴのウォリアーに対し、第七騎兵隊はたったの600人。そのうえいくつかの部隊に分かれて行動したので、カスター将軍と従属した210名が討ち死にしたのです(合計260人ほど)。これは西部の歴史上白人の軍隊と部族間のほぼ最後の争いになりました。実は2002年に立ち寄った日は、6月25日か26日だったのです(はっきり覚えてません・・・・)。夏休みでもあったし、たくさんの人々が訪れていました。今回は春先のいそがしくない時期だし、時間もあるし、デジカメもあるからのんびりたくさん写真を撮りました。

観光センターの壁ですが、上は部族の言葉で下はその英語訳です。日本語訳できるかな?『平和という名のパワーを知りなさい』つまり『平和こそが最大の力だ』などと訳せるでしょうか。Black Elkとは『黒いヘラジカ』のことでこの言葉を言った部族の酋長の名前です。

センターの中には、おみやげ屋とちょっとした博物館があります。受付のおばさんに頼んでカスター将軍の前で写真を撮ってもらいましたが、おばさんはデジカメの使い方をよく知らなかったようです・・・・・

当時のネイティヴ・ウォリアーです。

この記念碑にはカスター将軍も含めて討ち死にした兵隊の名前が刻んであります。

この丘はLast Stand Hill(ラスト・スタンド・ヒル)と呼ばれ、しいて訳すなら、カスター将軍の最後の抵抗・最後の場所、といったところです。戦いが治まった後、駆け付けた軍隊によって死体はその場所に埋められたそうです。後に家族や政府などによって掘り起こされ、遺体は別の場所に葬られたそうです。黒塗りの墓碑はカスター将軍の遺体が発見された場所だそうです。

しかし、かなり広大な場所なんです!!

パノラマカメラでも収まりません。

後ろに流れているのは、リトル・ビッグホーン川です。いずれビッグホーン川に合流するのです。
この戦いで死んだ馬を悔やんだ石碑もありました。アメリカ西部では馬は気高い動物として扱われていますし、私も彼らを敬う人間の一人です。日本語のことわざ「馬耳東風」、「馬の耳に念仏」というのはいただけませんね。これらは愚かな様子の例えですよね。馬と接していると、彼らは絶対我々の言葉を理解していることに気付きます。
この戦いは白人とネイティヴ間の文化の相違から起こった訳なので、部族側を奉る記念碑も建立されたようです。改めて、私なんかはこの広大な大地と歴史において小さい存在でしかありません。

2002年に寄ったときは、学会での発表に神経をすり減らしたのと、ワイオミングとコロラドの大都市を運転するのに辟易してからだったので、モンタナに帰ってきてほっとした感じとこの圧倒的な光景と歴史に心癒されたことを記憶してます。
今回はガイド講習会を無事終えたことの息抜きはもちろんですが、日本の大震災への驚きと悲しみを少しでも癒してもらおうと立ち寄りました。癒してもらったと同時に、逆に我々は大自然と歴史のほんの一部でしかないということも考えずにはいられませんでした。
”人生一回切り”という考えはアメリカでも日本でも同じです。
なので厳しい状況ですが、モンタナでカウボーイとしてガイドとしてがんばります!!

Sunday, March 20, 2011

ビッグホーン釣り合宿

ビッグホーン川での7泊8日のガイド講習会から帰ってきました。インターネット回線があったので、朝晩日本の大地震についてニュースを読むことができました。被害の規模が毎日更新されるたび、驚きと悲しみで一杯になり、さらには福島の原発がとても危険な状況にあるということで、栃木県の実家はもちろん、日本全国へのさらなる被害を心配しております。皆さんの無事と事態が解決に向かうことを心から祈っております。
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さて、スイートウォーター主催のガイドの講習会は大変有意義な経験でした。知ったかぶりをするまでもなく、私はガイドになる動機と目的が既にはっきりしているので、いろいろ習ったと同時にむしろ復習となる題目もありました。応急手当やキャスティング専門のインストラクターもいらしたことは特別な経験でした。私も含めて受講者は9人でしたが、各々の動機・目的・経験・年齢・性格も異なるうえ、インストラクターも含めて全員初対面だったので、状況はすでに”ガイド当日”にお客様に会うときと同じですね。少なくとも私はそういうイメージを自分の中で作り上げました。
我々が過ごしたロッジは”コットンウッド・キャンプグラウンド”で、大変快適な場所です。日本からお越しの皆さんをビッグホーンでガイドするなら、ぜひここに連れていきたいと思います。主催者側が食料を用意したので、ロッジの台所で朝晩は調理し、お昼にはサンドイッチを準備しました。いうなれば私個人の格安釣行の豪華ヴァージョン!!私は早寝早起きで朝食の準備を進んで担当しました。

何日か一緒に過ごして、インストラクターと受講者の間、また参加者全員の間の関係が徐々にスムースになっていきました。


ガイドとお客さんの役作りをして、ボートをこいで、流れを読んだり、フライを変えたり、意図的にガイドに文句を言ったり(冗談ですけど!!)など、インストラクターからガイドとしての経験・出来事を聞いたりなど、お互いたくさん学びました。そして釣りの方は・・・・・・・
他の州からはるばるやってきた受講者がほとんどで、彼らはもちろんモンタナもビッグホーンも初めてだったので、私は彼らがもっと釣るべきだと控え目に釣りをしていたら、あららやってしまいました。手応えたっぷりの45cmのレインボーを釣りあげました。

同じく45cmクラスのブラウン。これらは参加者全員のキャッチの中でもトップクラスでした。“地の利”とでも言えるでしょうか・・・・・・・・

最後の日の昼食は川原でサーモンをグリルしました。風が強かったけど、サーモンは最高でした。

帰途の前にみんなで集合写真。

さて、私の一番の目的であったボートの漕ぎ方は大変改良され、「なんだ簡単じゃない?」と自信を持てるようになりました。自転車を乗るのと同じ、あるいはフライキャスティングでも人工授精でも、要は筋肉に覚えさせることなのですね。さらにビッグホーンに一週間以上過ごして、いろいろポイントを習ったので、これからはビッグホーンもガイドできる自信があります。マディソンやイエローストーンなどの速い流れの大河を得意とする私にとってはビッグホーンはゆっくり過ぎます。しかしこれからはほとんどの川が雪代の氾濫で釣り不可能のときのオプションとしてビッグホーンも釣ってみようと思います。
また、今回自分を誉めてもいいかな、と思うことは、忍耐強くなったことと人付き合いが上手になったことを自ら証明したことでしょう。ガイドとは釣りではなく、お客様に楽しい環境を提供するサービス業なのです。上記のように、参加者それぞれの動機・目的は異なり、中には「フライフィッシングをうまくなりたいから・・・・」などと言う初心者も何人かいました。「ガイドのウンチクより、やっぱり大物を釣りたい!!」と傾いていた参加者もいました。また「せっかくモンタナに来たんだからやっぱり楽しまないと!!」と私以外の8名は毎晩夜遅くまでビールに興じていました。私は、付き合い悪いと思われてもかまわず、毎晩10時に持参のウイスキーを切り上げ、毎朝5時に起きて、嫌な顔ひとつせず、彼らが残した空き缶を片付け、皿や鍋を洗ったりなどもして、みんなに朝食を用意したのです。主催のインストラクターからもこの点は大変誉めていただきました。私は本当にビッグホーンで釣れるかどうかなんて気にしておりませんでした。特別な環境において、自分の人間としての成長を見てみたかったのです。
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本当に心から皆さんの無事・健康を祈っております。復興が順調に進んで、皆さんがモンタナに釣りに訪れる日々がすぐに来ることを願っております。

Friday, March 11, 2011

ビッグホーン川へ

釣行の前日に日本からなんと悲惨なニュース・・・・・・・・・・・
仙台での大地震のニュースをインターネットで知りました。こちらの友達が私の実家は大丈夫か、などと心配してくれました。モンタナは内陸部なので津波の心配はありませんが、”対岸の火事”などとは決して思えません。神戸以来の大災害ですし、また関東一円にも恐ろしいほどの揺れがあったと読みました。出発前に栃木県の家族に連絡を取ります。皆様の無事を祈っております。
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12日から、ガイドの講習会を兼ねてBighorn (ビッグホーン)へ一週間ほど釣りに行きます。

まず釣りの前に、地理的、歴史的なことをぜひ紹介したいです。まず私が住むモンタナ南西部(リヴィングストン、ボーズマン、イエローストーン公園を含む地域)から車で、2時間東へ向かうと、少しづつ標高が下がり、また山や森が減り、最終的には川沿いにしか木が生えない大平原になります。降雨・降雪量もモンタナ西部を比べてかなり低いので、空気も土地も乾燥しています。日本の日本海側と太平洋側がさらに極端になった感じと言えるのではないでしょうか?この何もない大平原を運転していると、あまりにも退屈になるときもあります。

地域の歴史としては、あのカスター将軍が討ち死にした戦地を含み(リトル・ビッグホーンと呼ばれる)、記念碑、墓、博物館などもあります。ビッグホーンはクロウ・インディアン居留地内を流れているので、酒は販売されておりません!!(私はカナディアンウイスキー持参!!)モンタナだけでなく、どの州においても、居留地内の釣りや狩猟に関してはいろいろな規則や取り決めがあるのですが、ビッグホーンは州と部族の間で合意に達して、今ではモンタナの公共の川なので、モンタナ州のフィッシングライセンスを持っていれば誰でも釣れます。

ここからスタート。Afterbay(アフターベイ)ダムです。

ビッグホーンはワイオミング州から北のモンタナ州に流れてくるので、数年前水量を巡って州の間で裁判沙汰になったそうです。というのは、アメリカ西部のほとんどの州で2000年代は暑い夏と雪が少ない乾燥した暖冬が続き、貯水湖やそこから放出される川の水量が減り、釣りだけでなく、周辺の農業にも大打撃を与えたのでした。トラウトの個体数が減少した河川もあるようです。ビッグホーンもその影響を受けたようで、上記の裁判沙汰については、釣りやキャンプなどのレクリエーションと農業への灌漑に関わる水量とダムの放水量を巡って綱引きになっていたらしいのです。

しかし!!ここ2,3年の冬の間たくさんの雪が降るようになり、夏も異常に暑くはなってないので、各河川で水量が戻り、魚の個体数も回復の兆しで、釣果も安定してきました!!上記の裁判は、両州とも忘れてしまったようです。

ある日のビッグホーンでまあまあそこそこのブラウン。

「ビッグホーンはジャイアント・スプリング・クリークだ」、つまりリヴィングストンのアームストロングやネルソンが大きくなったヴァージョンだ、という人がいますが、私の意見と経験ではどうでしょうか?確かに上の写真のように、ブラウンの体色はスプリング・クリークのものですよね。ミッジ、スカッド(水生甲殻類=淡水エビといえますか?)、水生ミミズ、カジカが豊富なのも共通です。これらのフライを使っていると、マディソンやイエローストーン川に比べて簡単に”釣れちゃう”というのが本音ですが・・・・

そしてその名声のため一年中続く人の群れ・・・・・

まあ、今の時期はそれほど混み合っていないはずです。ミッジのハッチでドライフライに反応があるかどうかは疑わしい・・・・・・・自らデザインした必殺スカッドだけで充分だろうと思います。
個人的に実験したいのは、スカッドやその他のニンフを釣るときのインディケーターです。今まではこのウキを使ってました。ちなみにこの製品はプラスチックの風船で、オモチャに見えるかもしれないけど、浮力と反応は業界最高で、壊れることはほぼありません。取り付け・取り外しも簡単です。しかし、取り付け方のためリーダーが すぐよじれてしまうのが、私個人的な問題点なのです(写真はリーダーではなく、色の対照になるため黒のスレッドを通してみました)。


そこで、今シーズンは、この製品を試してみたいと思います。「軽いから浮力があって、キャストするとき空気抵抗が少ない」というのが売り文句なのですが。昔ながらの発泡スチロールですが、今までの物より固めな感じがします。リーダーをチューブで押さえ付けたり、あるいは一日中ウキ釣りニンフをやるなら、リーダーをチューブに通してからウキにはさむこともできます。大きいのと小さいのを買いました。小さい方は、サイト・ニンフや小さいドライフライを遠くへキャストするときのインディケーターにもなるでしょう。



楽しい釣行になることは間違いないでしょう。

ビッグホーンはマディソンやイエローストーンに比べてかなりゆっくりなので、ドリフトボートからの釣りが初めてのアングラーには最適の川だと思います。一年中オープンで、ダムからの放水なので凍りつくことも、春先の雪代もありません。逆に言えば、マディソンやイエローストーン川が氾濫しているときは、ボーズマンやリヴィングストンのガイドの行き先にもなります。
かなりの辺境地なのでインターネットの電波があるかどうかは疑わしいのですが、最新情報によると、ワイアレスがあるそうです!!??しかし携帯電話の電波はないとのこと・・・・・・・

Friday, March 4, 2011

カットスロート -その2

ブログの統計を見ていたら、前回のカットスロートのポストが日本の皆さんから何度もクリックされたようなので、もう一度カットスロートのポストをやりたいと思います。実は、前のポストだけでは、カットスロートの思い出や写真の半分にも満たない。やはり、アメリカ西部のネイティヴだからでしょう。ある亜種は絶滅したり、再発見されたりなど、またはある地域では、数の減少が叫ばれている、そんな記事が釣り雑誌にしばしば掲載されます。 そんなニュースの代表例はイエローストーン・カットといえるでしょう。イエローストーン川と湖水域にのみ存在する種類です。写真はイエローストーン公園内のフィッシング・ブリッジ(次の写真)にあるディスプレイです。書いてあることは、詳しく覚えてないし、この写真からは読めませんが、要は、イエローストーン・カットは、希少種であり、また地域の生態系に様々な影響を与えているということです。グリズリーやビーバーなどの野生動物、写真のようなハゲタカなど野鳥の食料になるからです。しかし、前回書いたように、何者かがイエローストーン湖にレイク・トラウトを違法に放流したので、イエローストーン・カットの数は減少の一途で、今盛んにレイク・トラウトの駆除運動が行われているのです。 さてフィッシング・ブリッジとは? 御覧の用に、かつてはこんな感じで誰もが橋の上からカットスロートを釣っていたようで、しかもこの流域はちょうど産卵場所なので、これが、個体数の激減を招いたわけです。いつからか正確に覚えてないのですが(60年代か70年代?)、さすがにこの釣り方とこの橋の上下での釣りは禁止になりました。徐々に個体数は回復してきたけど、そのツケは大きかったうえ、上記のレイク・トラウトの件によって、今では、釣り人も環境・地域生態系の学者もこれからどうなるのか見守っているのです。



しかしこのブリッジは今では、魚を観賞するのに最高の場所です。大きい川をゆっくり泳ぐ個体を見ると、守ってあげたい気持ちになりますね。といいつつ、手がすべったふりをして、ドライフライを落としてみたい衝動にも駆られましたが。私の技術とカメラでは、魚の影を橋から撮影できませんでした。

公園内ではしばしば50cm以上のカットの釣果が報告されます。しかし、こんな生き残りの大物を狙うのは、かなり辛抱強い釣りだそうです。

さてそれでは、前回載せられなかった、カットスロートの写真の紹介です。

こんなかわいいコから、

こんないかつい顔まで、


そしてストリーマーでの格闘まで、本当にカットスロートとの思い出はたくさんあります。
実はこれは、レインボーとの交雑種カットボー(CutthroatのCutとレインボーのBowをもじって)です。レインボーとカットスロートは遺伝子が近く、繁殖期も重なるので、しばしば交雑してしまい、カットボーは繁殖能力がないので、これも人間が招いたカットの減少の原因なのです。でも、レイクトラウトは嫌いになれても、レインボーは嫌いになれませんね。もちろんカットボーも。ギャラティン川で、ホッパーにライズしました。


2009年の誕生日はカットスロートのおかげで、最高の思い出になりました。小さな山岳渓流をウェット・ウェーディングして、いつもの淵に辿り着いたら、何か異様な空気を感じた。なぜかその日に限って、川に沿ってハチが大量発生していたのだ!!そして淵からは、そんなハチにジャンプできないトラウトのフラストレーションを感じた。私が感じたのは、ハチの飛ぶ様子と水面の様子のまさしくBUZZだったのだ!!なのでハチのイミテーションをキャストしたら、入れ食いが続いて、淵の真ん中からは33cmのカットスロートは最高の誕生日プレゼント!!


そしてさらにおおきい38cmのカットは最高のディナーだった!!
またしてもハチ!!
「カットスロートは簡単に釣れる」、「何にでもライズしてくるバカなトラウトだ」、なんて言う、知性と感性のカケラもない釣り人もいます。「なら公園内の50cm超の固体は簡単なの?」と聞いてみたくなります。カットスロートはフライフィッシングの楽しさを教えてくれる純粋なトラウトですね!!

彼らが夏にライズする光景を想像すると、今からもうワクワクしてます!!

Tuesday, March 1, 2011

母の日カディス

Mother's Day = 母の日は世界共通5月の第二日曜です。モンタナで4月末から5月初めは、確実に春だけど、冷え込む夜もあるし、雪やミゾレが舞い落ちる日々もあるのです。その日の天候や次の日の天気予報もままならない、そんなおもしろくも不安にもなる日々になのです。なので、河川の水位は雪代が始まったり、ちょっと止まったりなど、天気予報と同じくらい予想が困難かつ毎日変わっているのです。そんないろいろとした私達の気持ちと環境・状況の変化が混ざっている時期において、私達が毎年期待しているのは、"母の日カディス"の爆発的なハッチなのです。Mother's Day Caddisと呼ばれるのは、ラテン名はBrachycentrus(ブラキセントラス)で、フライのサイズは大きめ(14と16番)です。また、体色はオリーブとブラックの混合です。春になって川の水温が上がってきて、それでいて雪代の洪水には至っていない、という絶妙なタイミングでハッチします。天気・環境・タイミング、全てが合えば、こんなに大量にハッチするのです!!

こんなに大量に成虫が水面にいたら、とてもエルク・ヘア・カディスなどでは自然体と競争にならず無視されます。そんな場合トラウト(特に大きい固体!!)は、むしろ食べやすい脱皮前後の固体を捕食するのですね。なので、そんなパターンを巻いてみました。毛深くかつ光沢がある、また視認性の高いパターンです。


そして、これは様々なカディスの状況において最高のパターンを"母の日カディス"用にアレンジしたものです。このフライは、基本的に視認性の高いエルク・ヘア・カディスなどの下にドロッパーとして使うことをお勧めしますが、トラウトはデッド・ドリフトの内にライズするし、またデッド・ドリフト後のスイングにでも噛み付いてくるのですよ。最高のパターンです。


こんないろいろ私達の気持ちが混ざり合った時期において、トラウトも我々釣り人と同じような反応を見せます。この"母の日カディス"が大量にハッチしているなら水面付近で飲み込んでやるし、雪代がひどくてハッチがないなら川底で待ってニンフやストリーマーを待ってますよ、という態度を取るのです。そんな混ざり合った状況で釣ったのがこのブラウン。

マディソン川やイエローストーン川において、このような大物トラウトは、春先には水生昆虫のハッチの有無に関わらず、荒食いを始めるのです。そんな時は大型ストリーマーでの釣りが一番なのです。

この季節の始め、つまり4月末から5月初めは、日本ではゴールデン・ウィークの時期ですね。春先の休暇を兼ねてモンタナへ釣りにいらっしゃるなら、私達は様々なアイデアを持ってお待ちしております。"母の日カディス”のハッチと大型ストリーマーでの釣りと言う両極端な釣り方をぜひ体験していただきたいけど、あまりにも寒すぎたり、雪代がひどい場合もあるのです。そんな場合、リビングストン周辺のスプリング・クリークや湖はとてもいいオプションになります。

気持ちと釣り方の融通性を持って、ぜひゴールデンウィークにはモンタナに来ていただけませんか?
釣り方・河川状況・有効フライなど、お気軽に質問してください。