Sunday, September 28, 2014

フライフィッシングの教室

9月はよく“移行の月”といわれる。夏が翳り、我々の生活様式が変わる。釣りも含めて。さらに、今年の9月は予測不可能だ!!上旬、雪が舞い降りたと思えば、三日前=25日にはなんと気温30℃以上まで上がった!!そして今これをタイプしている時点で、地域は冷たい雨と風に襲われ、家の暖炉に薪を投げ込んでいるところ!!
まあ、とにもかくにも・・・・・・・・・・・・

先週、その最後の夏日2日間、日本からの釣り人をガイドした。まずデピュー・スプリング・クリーク(www.depuyspringcreek.com)にてガイドした。これまた、典型的なスプリング・クリークでの“釣り簿記”となった。初体験者・初心者にはちょっと刺激がきつ過ぎたかもしれない・・・・・・・。スプリング・クリークにて、もっとも難しくかつ焦燥感が募る2つの状況を同時に経験することになってしまったのだから・・・・・・・・・。
一日中小さいミッジのハッチ過去ポストをクリック
ミステリー・スピナーの落下過去ポストをクリック
一日が過ぎるにつれ、片方がもう片方より主要のときもあれば、混合のときもあった!!つまりトラウトはどちらか片方に集中して捕食するときもあれば、両方同時に気分のまま捕食もしていたのだった。さらには、異なる5つの色のスピナーを観察したのだ!!大きさはほぼ全部フック・サイズ20番だった):ほぼ透明感のアブドメン、ラスティー(錆茶色)、グレイ(灰色)、ダーク・オリーブ(濃い緑色)、そして黒。混乱している?実際自分で目にすると、あるいは近い将来訪れるなら、さらに混乱すること間違い無し!!私は、当たり前のことだが、フライを交換したり、クライアントに指示を出したりにいそがしく、ひとつひとつスピナーやミッジの写真を撮る暇はなかった。

真っ暗になってもうフライが見えなくなるまでガイドした。それでもトラウトはライズしていたが・・・・・。モンタナ初釣行にしては、手洗い洗礼・歓迎になってしまったかもしれない。しかし、この経験をこれからの釣りに活かしてほしいと思う。
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次の日は、イエローストーン国立公園内のソーダ・ビュート・クリークに向った。ソーダ・ビュートはじめ公園内その他諸々の河川は、各々特徴と難癖があるが、クライアントは前日の経験を踏み台にして進化していた。いきなりフックアップ!!

はじめてのネイティブ・カットスロートおめでとう!
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スプリング・クリークはフライフィッシングの教室そのもの」という私のマントラ=座右の銘をまたしても思い起こさせられる経験であった。これは、けっして旅の釣り人だけでなく、ガイドにもあてはまることだ。そして「習うことと観察することに終わりは無い」。先日は乗り切れたけれども、今また次に備えて、スピナーとミッジのパターンを巻き貯めて、区分けしはじめた。そして秋ベイティスのハッチが近づいている。いわずもがな、秋ベイティスこそ、シーズンを締めるフライフィッシングの究極
いつでも来い!

Sunday, September 21, 2014

習うこととガイドすること

先週いろいろためになるガイド・トリップを経験した。クライアントがいろいろ習いたいとがんばり、私はガイドとして、そんな一生懸命の釣り人をアシストできることができた。絶好ポイント(もしくは区間)、駐車場所、ハイキング道、などの知識だけでなく、ガイド・トリップには「クライアントに教える、コーチする」要素が含まれている。クライアントがその日の目的・目標を達成するため、私と共に一生懸命努力していただけると本当にありがたい。その日の終わりに、クライアントが目的を達成できてうれしいなら、私も同じくらいうれしい。“ティーチング・ガイド”として、この責任を真剣に受け止めている。同時に、私自身もクライアントや様々な状況からいろいろなことを学んでいるのだ。例えば、クライアントの技量。何が得意か、何を改良すべき等。あるいは、あるポイントでは、普段とは異なる流れの読み方とフライの見せ方を必要となる、など。このようなひとつひとつの積み重ねが、知識となり、“方法の引き出し”となり、未来のトリップ・異なるクライアントをガイドするのに役立つのだ。ってゆうか、ほとんどのクライアントは右利き!!!これまでもうたくさん右手でキャストして、左手でラインを操る見本を示してきた。今ではもう立派な両利きになってしまった!!

というわけで、このクライアントは、イエローストーン・カットスロートを釣りたいとのこと。彼は全くの新人ではなかった。仮に、それなりのフライを持って、この区間に自ら赴いたとしても、そこそこ釣果をあげていたのではないか。私は、いかに大きな川を小さく区切るのか、どのような角度・距離でフライを見せるのか、等々、紹介することができた。結果としては、午後中休み無く当たりがあった。しかもその間たったの50メートルくらいしか動いていなかった。この大きなカットスロートは、彼にとっても、私にとっても、ボーナスのような経験だった。まず私が、岸際の浅い場所を旋回しつつライズしている個体を発見した。クライアントがしっかりキャストし、完璧に合わせた!!まるで自ら釣りをしているかのよう、感覚がバシバシ伝わってきた。

もひとつ!!

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そして、日本からの釣り人をガイドした。どこに出かけるか、いくつかオプションを話し合っていたが、最終的にはここリヴィングストンの三大スプリング・クリークのひとつ、ネルソンズ・スプリング・クリーク(www.nelsonsspringcreek.com)に向った。
ミッジがこの日のメイン・ディッシュだった!!!

この環境(景色、クリーク、トラウト、ハッチ等)は、ほとんどの日本人アングラーにとって初体験だろう。キャスティングやフライの見せ方(メンディングも含んで)などをアドバイスしつつ、クライアントが慣れてかつ、吸収していくにつれ、当たりがきた!!
初めまして!!
トラウトを的確に扱い・持ち上げることを伝えるのもガイドの役目。特にこういう大物ならなおさら。もちろん写真映えするように・・・・・・それにしても北川さん、素晴らしい写真をありがとう!!
おめでとうございます!!

午後・夕方と、やはりミッジが活発だった。それまでもうたくさん躍動感抜群のレインボーを感じてもらったが、やはり重く力強いブラウンを体験してもらいたかった。ちなみにどちらも典型的なネルソンのトラウトの特徴だ!!
最後の光の下、もう一回最後の努力!!
やった!!
50cm級・推定2.5kgを6Xに結んだサイズ20番ミッジにて・・・・・・・
北川さん、おつかれさまでした。またのお越しを楽しみに待っております。
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それでは、フライ。ほとんどのパターンで効果があった(一般的なもの、オリジナル作)。ここで、トラウトの厳しい試験・検査を潜り抜けて、無事“レギュラー=フライ・ボックスの一角を占める”となった、真新しい2パターンの紹介だ。
ピューパージャー3(ソフト・ハックル・エクステンデッド・ピューパージャー)
ピューパージャー4(アンブレラ・ピューパージャー)

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秋はまだ始まったばかりだ!!

Sunday, September 14, 2014

スルー・クリーク手記

イエローストーン国立公園では、モンタナに比べて、秋(冬?)が進行するのが早いと思う。燦然とした優雅な季節の一言だ。木や草が色を変え、野生動物も丘の上から降りてくる。
釣りに関しても、調節や観察が必要だ。トラウトは些細な変化にも敏感である。水温、暖かい時間帯、水生昆虫のハッチ、テレストリアルの行動、などなど。これまでもう何度もポストしてきたよう、イエローストーン公園内には大好きな水系がたくさんある。どれかひとつ選ぶのは難しいというかほぼ不可能。しかし、スルー・クリークのキャンプ場以下の区間では、毎年ドラマに出くわし、何かしら考えさせられる。

クライアント一名をそこに連れて行った。駐車場の車の数に関わらず、いわゆる絶好ポイントにはなぜか誰もいなかった。おかしい・・・・・・。多分、ハッチもライズも何も起こってないように見えていたからであろうか。晴れていて、暖かめ(秋のレベルで!)だったので、コオロギのパターンを選んでみた。クライアントは余所見して初めのライズに合わせられなかった。次にバッタのフライを結んだら、それほど大きくないがレインボーがアタックしてきた(写真無し)。ちょうど“ポンプ”に適した大きさだった。するとたった一匹グリーン・ドレイクが出てきた(写真無し)。どうやらそれはその日の午前中に捕食されたのだろう。もうすでに午後半ばだった。なのであくまで“理論上かつ一般的”に主要なハッチは終わってしまっただろう、と。それでもグリーン・ドレイクのフライを上手にみせれば、トラウトが反応してくるかもしれない。
私の経験的動物的勘は実現した、というか、トラウトが反応してくれたような感覚だった。
 さらには、わずかながらだが、確実にグリーン・ドレイクが我々の周りでハッチを始めた!!トラウトはフライを追い始めた!!

これはイエローストーン公園での釣りで一番おかしかった瞬間!!
クライアントが寄せてきたけっこうなトラウトをネットすると何かおかしな付属物が・・・・・・。なんと誰か以前の釣り人のフライが頬にささったままだったのだ。しかし、それはいわゆる“ドライ・ドロッパー”で、頬のニンフにはティペットが結ばれており、その延長上にはアトラクター・ドライフライがしっかり着いていたのだ!!おそらく“ややスレ”でかなりのファイトで捕り込みに苦労した挙句、フライを両方切られて逃げられたのだろう・・・・・・・・。トラウトにしては“トゲ”が刺さったままずっと泳いでいたことになる。なのでリリースの際、しっかり外してあげた。
・・・・・・・・・私のフライはしっかり口で捕らえられているのに・・・・・・・・\(^~^)/!!
さらに釣り続けると、特別大きな影が浮き上がってきた!!
かなりのファイトだったが、クライアントはなんとか持ちこたえ無事取り込んだ!!
潜水艦を持ち上げた!!
誇張と御世辞抜きで、これはスルー・クリーク最下流でこれまで捕らえた最大級!!!(自らとクライアントのキャッチを合わせても)。
これまで、たくさん経験させられたよう、またしてもスルー・クリーク最下流での神秘的な経験となった・・・・・・・・・・

それではフライ:マスター・アングラー(師匠)のグリーン・ドレイク・ソフト・ハックルドライとして釣る。
これはもう説明不要なはずだ。私の記事、フライ・カタログ、タイイング・ビデオなどなどを見返してほしい。

今年の秋は特別いそがしい!!!!

秋深まる(ちょっと速目に・・・・・)

今年の9月はおもしろい傾向にある。確かに秋だが、天気はその日によってかなり変化する。8月が終わって、一度減少傾向だった旅行者・訪問者がまた増加しているようだ。ひょっとしたら、一番安定しているのは、「釣り」か!!??

たったの5分間、しかし強烈な雹の嵐のせいで、それまで澄んでいた川が突然濁った・・・・・

今年のイエローストーン川のハッチは物凄い!!涼しげの天気のせいで、今年はテレストリアルのフィッシングがあまり効果が期待できない日々がある。その代わり、ハッチを解読するのが、今年の夏・秋のゲームだ!!つい先日、クライアントをボートに乗せて、ほぼ一日中複合ハッチに出くわした!!種類といい、異なる大きさといい!!
間違っていたら指摘してほしいが、それほど的外れでもないと思う。
ヘプタジェニア(クリック
 ヘキュバ・メイフライもしくはウェスタン・レッド・クイル(クリック
 カットスロートはライズ好き!!

そしてついにこの日がやってきた・・・・・・・・・これは昨年10月・11月などからではない。2014年9月11日だ!!
冬用衣類全て装着!!繰り返すが9月上旬・・・・・・

 ブラウントラウトが動き出した・・・・・・・

  
夏が短かったということは、秋が長くなるということか!!??
シーズン初めに予測したよう、今年の秋の釣りはすごいことになる!!

Sunday, September 7, 2014

秋のガイド・ギアとフライ

この地域の定めと言うべきか。9月に入るにつれ、我らがイエローストーン・カントリーへの訪問者は格段に減少する。しかし、真剣な釣り人は、そんな状況を把握し、目的を持ってこの季節に訪れる。私のガイドの予定は、確かに過去3ヶ月に比べゆっくりになるが、常に目を光らせているし、出陣の準備をしている。またスカウトにも行くし、自らの楽しみのために釣りに出かける日々だ。このポストには、最近得た用具と秋のためのフライについて。

以前のポストで触れたよう、ヴェストに付けていた時計が御臨終になった。先日、某全国区百貨店に見繕いに行った。私はハイテク技術の腕時計を必要としない。理由1:腕に巻くのが好きじゃない。理由2:知りたいのは時間であって、その他の昨日は不要。理由3:どんな製品だっていずれ壊れる。最悪の場合、失くすこともある!!今度のは、12ドル88セント防水機能のはず。釣りの際の動きの邪魔にならないように、ヴェストに結びつけた。これからどれくらい、私の活動とモンタナの天気に耐えられるのだろうか・・・・・・。以前書いたよう、前の時計は7年も働いたのだ。
パタゴニアのこのフリースは最高!!(ここをクリック)暖かくて心地良い!!

フライ・タイイング・ベンチでもいそがしい。今年の秋は、これらストリーマーで釣っている予感がする・・・・・・。12cmくらいのパターンもあれば、ほんの2~3cmくらいのパターンもある。超強力接着剤やコンクリート並みの仕上がりの製品の代用物を探していた。これらの製品は大好きなのだが、指やベンチからの除去・掃除がかなり面倒になる。地元の金具屋・雑貨屋でちょうどいいものが見つかったかもしれない。
久々にダブル・バニーを巻いた。
ここ数日で全部巻き上げたわけではない・・・・・・・・。以前巻いたもののヘッドを強化して乾かしているのだ。

これらこそ、つい最近巻いたもの。
これらはいわゆる“マイクロ・ゾンカー”のヴァリエーション(色・サイズ)だ。


そして、秋用の大型ソフトハックルも順調に巻き貯めている。私がソフトハックル・マニアである事実に説明は不要だろう・・・・・・。コヨーテ(右側)とミスター・オー・オー
これらは、大河川とスプリング・クリーク両用。充分巻き貯めたはずだ!!??

Tuesday, September 2, 2014

8月の終わりイエローストーン公園

7月と8月は、いそがしかったり、ゆっくりだったりの繰り返し・・・・・・・。とにもかくにも8月は終わってしまった。また実質“夏”も終わりを迎えている。しかし、まだまだガイドの予定も釣りの季節もたくさん残っている!シーズンのまとめなどにはまだまだ早い!

繰り返せずにいられないのだが、それにしても水量が豊富な年だ。地域のほとんどの河川は、夏中冷涼に流れている。久しぶりに、自分一人で釣りに出かけた。もはや“夜明け前の旅人”ではないが、それでも一番乗りだった。道路を占領しているバッファローの群れをすり抜け、ソーダ・ビュート・クリークの一番好きな場所に降り立った。その日の第二キャスト目・・・・・・。カットスロートと早朝の陽射し!!

どうやら、前の晩に“羽アリの交尾大飛行”が起こったようだった・・・・・・。

実にトラウトはオナカ一杯でゲップしているようだった・・・・・。その後何尾かネットしたが、その他たくさん、フライを見に来たり、食いが浅かったりがあった。
それでも、「あれ」が始まったら、トラウトは急に態度・行動を変えた!!
そう!!秋のグリーン・ドレイクのハッチだ!!

ある場所で、とあるトラウトが他の個体とは違う捕食の動きをしていた。ハッチの最中にも関わらず、水面を破らずに水面下で積極的に捕食し続けているということは・・・・・・
しかも記録にも記憶にも残る固体であった!!
午後ラマー川にも寄った。あるたったひとつの場所だけなのに、当たりまくり!!で、最後がこの立派なカット・・・・・・。これで充分すぎた。なので撤収。
それでも常に観察する姿勢は変わらない。
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そして、日本人アングラー二人を同じ方向へガイドする予定になっていた。繰り返すが、上記のトリップは、自分自身のためであって、スカウトの意味合いはなかった。正直言って、釣りの心配はしていなかったからだ。私の気を揉ませたのは・・・・・・・・天気がどうなるか・・・・・・持ちこたえるのか・・・・・・・・

出だし好調!!

予測通り・・・・・・!

さらに大きく!!

ハッチとライズへの期待が高まると同時に、降水量も高くなるばかりだった・・・・・・・。実に地域全体が大雨となった。この写真は、ラマー川とソーダ・ビュート・クリークが“チョコレート色”になる数時間前になってしまったということ・・・・・・・。

しかし、午後半ばになって(スルー・クリーク最下流でがんばっていた)、降り注ぐ雨がゆるんだ。すると(ほぼ奇跡的に!?)、水生昆虫がハッチし始め、トラウトのライズが始まった!!このおかしくかつ不定期的な天気のパターンのせいで、水生昆虫の行動もおかしくなっているのだ。

さすがにやや早め、でも秋のベイティスが大量にハッチしていた!!
そして、散発的かつやや遅めながらも、グリーン・ドレイクもハッチした。
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フライに関しては、私の御用達パターンが効率よく捕られている。
ドライフライ(クリック
エマージング・ニンフ(クリック
ソフトハックル(クリック

これから秋が深まるにつれ、川・トラウト・水生昆虫はどんな様相を我々に見せるのか・・・・・・
こう御期待!!