Tuesday, September 25, 2012

秋の色

イエローストーン公園とモンタナ州の釣りのシーズンはまだまだ続くけれど、季節の移り変わりと共にガイドのシーズンは終わりに近づきつつある。パークス・フライ・ショップと我々を訪れてくださったクライアントのおかげで、本当に充実したガイド・シーズンであった。ガイドとしての、また自らの釣りを含めた“モンタナ2012年”は後ほど書き下ろしたいと思う。

なので今日はいつも通りの最新フィッシング・レポート。いまだにウェーダーを着用していない釣り人(特にボート上)をちらほら見るけれど、私は心地よくSimms G4PROを愛用している。秋が近づいてくると、水温・天気の変化と共にトラウトが、夏とはまた違った状況で活発になってくるのは事実だ。特にブラウントラウトは産卵期を迎え、アグレッシヴになる。今の所、私自身は、本格的に“秋の大物”を追いかける釣りを始めていない(10月末ですよ・・・・・・!!)。先日、ガイドの予約が午後だけだったから、その日の午前中早くから、イエローストーン公園内のガードナー川でちょっと試してみた。注):ガードナー川にはイエローストーン川からトラウトが産卵のため溯上してくるのだ。それでいて、公園内の河川は11月第一日曜で禁漁になり、翌年は5月最終週末が解禁と、魚と自然が充分に保護されているのである。つい先日パークスのクライアントが60cm超の大物ブラウンをあげた!!季節・場所・知名度を考慮すると、日本の皆様にとってガードナー川はア・ナ・バでしょう・・・・・・
充分イケメンだけど、まだまだ大物とは言えない・・・・


何を喰わえているの?このフライはなんだ?このフライはこれから秋が深まるにつれ、もっと使われ、さらなる大物に噛まれることだから後ほど・・・・・
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大きさなんて関係ない!!ブルックトラウトだって秋に筆舌尽くし難い色合いを見せる。

この腹部の色合いを見よ!!黒の線がクマドリのように強烈、それでいて、対象の白とオレンジ・金色の側部がたまらない。

それなりにしっかり黒ずんでアゴも張っているオス。

そしてこれはもう色合いと紋様の傑作だ!!
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つい先日のイエローストーン川でのレインボーから採取した胃のサンプル。未だに・・・・・・
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イエローストーン川はいつも通り雄大ながら、局地的かち集中的に水生昆虫とライズを繰り返すトラウトの一群が観察される。今はミッジとブルー・ウイング(ベイティス)のハッチが昼から午後3時にかけて観察されトラウトはライズし続ける!!
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ガイドの仕事の峠を越え、今の所個人的に「釣り・外出を控えたほうがいいかも・・・・」という状況です。一般の釣り人にとって、フライフィッシングとは趣味・娯楽・休暇かもしれませんが、ガイドにとっては仕事なのです。ボート操作とハイキングによる身体的な労働と共に、クライアントを手助けする精神的・サービス的な仕事もあるのです。特に私の場合は日本語と英語で行うので・・・・・。ちょっと体をストレッチかつ骨休みさせてください。もちろん釣りの情熱を失ったり、金にならないから、などの理由ではありません。10月は、私にとってまさしく“長月”(今までの人生経験上・・・・)であって、そんなに速く過ぎ去ることはないのは心底知っています。ですので、楽しみは10月後半・深秋にとっておきます。その前にまず骨休め・・・・・・そして深秋の釣りは11月まで続きます!!

ガイドの仕事は峠を過ぎた状況であって、もちろん予約していただければ、今年大晦日までいつでも出動可能です。特に、私の家から車で5分のスプリング・クリーク(右側のページを参照)では、冬でも最高の釣りを楽しめますので!!私が提供するランチ(ガイド料金に込み)は大好評でした!!特にモンタナで狩猟された鹿肉のハンバーガーとミートボールの即席ホット(熱い!!)ランチは大好評!!冬だからこそ、また私有地のスプリング・クリークでの休憩用のテーブルと小屋で食べればさらにおいしいこと間違い無しです!!日本からの飛行機代やこちらでの宿泊費用も低くなる季節ですし、寒さに耐え、かつ今年一番の大物に挑戦にしたいなら、ぜひモンタナ州リヴィングストンにお越しください!!

Wednesday, September 19, 2012

イエローストーンの同義語=ドライフライ+カットスロート!!

ここイエローストーン地域では、いまだにシーズンのベストを楽しんでいる最中だ。確かにもう夏ではない。日はじょじょに短くなり、ウェーダーの温かみを感じるようになった。二日連続で上級アングラーと“マッチ・ザ・ハッチ”かつ“ドライフライ”の釣りを思う存分楽しむことができた。写真が全てを物語っている。

9月17日月曜日。クライアントと私がラマー川の草原を歩いていると何やら動いていた。私達の登場を恐れず、隠れもしなかったアナグマの一種だ(バジャー=BADGER)。

そしていざ釣りを始めると、予測したようにグリーン・ドレイクがハッチし、トラウトがライズを始めた!!

この日の最高級カットスロート!!水面が穏やかな浅場を回遊していた固体をサイト・フィッシングで捕らえた!!大きいドライフライで大きいトラウトをサイトフィッシングで狙う。これ以上息詰まるような興奮する光景はない!!


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9月18日火曜日。ヴァーモントからの経験豊富な釣り人二人と共に、イエローストーン川にボートを出した。風が強く、惨い日になってしまうかと思った・・・・・・が私達の忍耐(と私のガイドの祈り!)が報われ、ドライフライを結ぶと同時に風が止み始めた・・・・・・・


胃のサンプル。何かわかりますか?


そしてこの日の最高級カットスロートはジェイニーにより、ブルー・ウイング・オリーヴ(ベイティス)のハッチの最中に来た!!実に、私達はボートを絶好の場所にかつ絶好の時間帯に止めたので、ハッチとライズが私達の岸際上下に続き、予定を大幅に超えて長居してしまった!!

歯が鋭くかつ色合い鮮やかな美男子!!

シーズンは後2ヶ月(少なくとも私個人にとって)続く。ガイド稼業もパークス・フライ・ショップではまだまだいそがしい。モンタナの雄大な秋の自然と釣りを私達といっしょに楽しみにお越しください!!

Sunday, September 16, 2012

今年のホワイトフィッシュ大賞―ついに真打登場:戴冠王者の帰還

結論から述べると、いやいや本当に惨いまでにも向かい風が強かった。この辺の天気予報より当てにならないものはないんじゃないか。風が吹くのは当たり前でも、あれほど吹きつけないはずじゃなかったの!!

とにもかくにも、なんとか今日も友達(ハンス)を伴って実験・観察に出かけられた。まず午前11時半ごろからミッジの落下(スペント・ミッジ)とそれにライズするトラウトの一群に出くわした!!それが終わった後、風向きが真逆に変わって(向かい風)、超強風にも関わらず、ブルー・ウイング(ベイティス)のハッチが始まり、トラウトは狂喜乱舞、そんな状況が午後2時過ぎまで続いた!!何匹か良型のカットスロート(ホワイトフィッシュもドライで)を上げ、胃のサンプルをポンプすると、我々の見当とフライ選択が正しいことが証明された。
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・・・・・・・・・・・・・・なんとか風の中を生き延びた・・・・・・・・・・ボートを引き上げる場所に真っ暗になる前にはたどり着けるだろうという地点に到達してから、今度は私が釣りを始めた。雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ生き延びた、私の(ハンスが同意しないかもしれないから、「私達の」じゃなくて「私の」)努力が報われた!!なんとこの潜水艦級のホワイトフィッシュを釣り上げた!!

ここまで立派なクチビルを拝めたの久しぶり!!

おっとっと・・・・・

というわけで、二日連続の実験・観察は大成功に終わり、秋の釣りを求めて、モンタナとイエローストーン公園を訪ねられるクライアントのガイドの準備・下調べができた。それにしてもあの強風とそんな状況でもハッチし続けたブルー・ウイングとライズし続けたトラウトの光景は、我々の地元の釣り人にとっても圧巻・・・・・ぜひ一度経験しましょう!
そしてホワイトフィッシュまたはいわゆる「雑魚・外道」(なんかひどい言い方だな~~~)の大物大賞の写真を受付てますよ~~~!!締め切りは今年の大晦日。一等賞への賞品は考え中です!

Saturday, September 15, 2012

“ウーリー・・・・・・・・・”の季節

前2回のポストが大変好評でたくさんのメールと質問を受けました。本当に最高のドライフライの経験でした。しかし・・・・・好事魔多し・・・・・・・直後に私の愛車フォードF-150が大手術(実はこれはこの短い期間で3度目の修理・・・・・・それら全部は語らないけれど)。なので、さすがに外出を控えてました・・・・・・・。
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しかし、まだガイド・トリップを予約されている!だから川にボートと共に戻らなければ。水量は明らかに低くなっている。加えて、今9月で移行期のど真ん中(暑い―寒い、ハッチ―ハッチ無し、など・・・。だから友達リンカーンをボートに招いて、いろいろ“実験”に出かけた!

YES!!まだドライフライで出るよ!!


胃のサンプル・・・・・・・・何食べてるか分かりますね?

そして我々は“ウーリー”の季節がやってきたと確信した!!

この丸々レインボーを見よ!!

お腹のポッコリは何だ?リンクによると、カジカ・ミノーが1匹か2匹入っていたのではないかということ。

というわけで、確かに7月・8月とはちがうけれども、好状況でいろいろ起こっているということ。秋は今曲がり角というところ。秋が深まるに連れ、さらに釣りは良くなる!!モンタナで秋、そしてシーズンの締めを楽しみましょう!

Saturday, September 8, 2012

9月7日―パート2:スルー・クリーク下流草原にて羽アリの大飛行

ラマーを午後3時くらいに後にし、すぐ近くのスルー・クリークの下流草原に向った。最大の目的と理由は「昨年同日に、羽アリの交尾による大発生・大飛行に突然出くわした」から。過去のポストをどうぞ。あれは完膚なきまでに叩きのめされた経験だったが、数日の内に新しいフライを開発し、観察眼と共に、その困難に打ち勝ったのだ(もうひとつのポスト)。だから昨日の目的は「また大飛行に出くわすだろうか?」と「今年はうまくできるか?」であった。

去年の釣り日誌によると、大飛行は夕方(午後5時から6時)に起こった。だからそれまではいつも通りに釣り歩いた。いざ午後5時くらいから、期待と不安にドキドキしながら、観察しつつ移動し始めた。すると・・・・・・やった!!また起こった!!!
こんな女王アリが(小さいオスが張り付きつつ・・・・)大量に飛来しては、水面に落ち、トラウトはそれら溺れた固体をガボガボ音を立てながら飲み込んでいた!!

しかし・・・・・・・今年は女王のサイズは14番か16番・・・・・・・
これが去年の例。大きさが違うのは見てとれるでしょう・・・・・・

だから、去年の経験を基に開発した自作S.C.ANTの10番・12番は瞬く間に“贋作”と見破られてしまった!!!トラウトは何でもかんでも飲み込んでいるようにみえたが、選択眼はいつも通り厳しいままだった!!

一般的なパターンで2,3当たりがあったが、満足感には程遠い・・・・。去年のように泣きはしなかったし、自暴自棄にもならなかったけど。また宿題を授かったということ。女王アリの飛来は一時間後に明らかに薄くなった。しかし、トラウトはやや静か目ながらまだ音を立ててライズを繰り返していた。ミッジが大量にハッチし始めたから、ミッジを捕食していたのか?でもライズ音は典型的なミッジ捕食な感じではなかった。だから水面に近づいて観察すると、今度は(はぐれたのか?)小さなオスだけが大量に浮遊していて、トラウトはそれらを音を立てて飲み込んでいたのだ!!

こうなったら、一般的なアント・パターンの20番・22番でなんとかなると思った。小さく黒いフライは見ずらいが、ポイントをひとつにしぼって、その下を回遊してる固体に狙いを定めた。すると大きい鼻がライズしてきて、私のフライをスッと吸い込み、しっかり合わせた!!思ったより大きい固体でかつ、かなり長めのリーダーと6Xティペットだったから、引き込むのはかなり慎重であった!!


ザ・ベストのカットボウ!!これまでこの体長のトラウトをここであげてきたけど、これほどガッシリ・ズッシリの固体は初めてだ!!

ライズは真っ暗8時過ぎまで続いた。ミッジとベイティスが混合していた。イエローストーン公園内では電灯などを使いながらの釣りは禁止されているし、何より暗い草原に一人ぼっちは怖いから、家路に着いた。

自身のスルー下流草原への愛と中毒具合、またその難解さは言葉では言い尽くすことはできない。ここでの経験のおかげで、釣り人・ガイド・観察者として確実に成長している。立派なトラウトを手にできたけど、また新しい宿題を課されたし。だからさらに成長したい!

シーズン終了前にまた1回か2回行こうかな・・・・・・・・

9月7日―パート1:ラマー川でグリーン・ドレイク

ほんのおととい“まだ夏の名残が・・・・・”とか中途半端な表現を使ったけど、今日はもう簡潔に“イエローストーン地域は初秋”だと言うことにしよう。朝夕は身にしみて冷えるようになった。基本的にまだウェット・ウェイディングだけど、いつでもG4-PRO の準備はできている。

昨日はまた私が住むリヴィングストンからイエローストーン公園へ向った。あえて遅めに出発(主にパート2のため!)。パークス・フライ・ショップでおしゃべりしてから、(運転中考えつつ)ラマー川に向った。今まさにグリーン・ドレイクのハッチの季節なのだ!!(写真は去年より)。

グリーン・ドレイクのドライフライ、フォーム・アトラクターとアントをローテーションしながら始めたら、まあまあのカットスロートを捕らえたので、さっそくストメック・ポンプ!!フムフム・・・・・・・私の推理は正しい方向に向っていた・・・・・・・

これはエクステンデッド・ボディー・フォーム・グリーン・ドレイク(クリックするとタイイング・ビデオ。ブログ友達ホッパー・フアンより)。私はビデオのオリジナルより、自分の視点と釣る場所に応じて、細身かつパサパサに仕上げた。それでもフォームとシンセティックのウイングのおかげで沈むことはない!!

場所を探りつつ、ついに絶好台発見で確変モード突入!!


これは自分にとってザ・ベストのイエローストーン・カットスロートだ!!ズッシリ重い!!まさしく急浮上してきた潜水艦のようであった!!

ほんの数分後、二番目のベスト!!

ちょっと夏の間遊ばれすぎたのかも・・・・・・

ラマーはとても人気がある=人混みになりえる。しかし、ガイドとして釣り人として、私は川と人混みをナヴィゲーションできる!!これだけで大変満足のいく出来事であったが、昨日はそれだけではなかった・・・・・・・・パート2へ続く。

Thursday, September 6, 2012

半日フロートと”仕事帰り”

9月に入ってもガイドシーズンはまだまだいそがしい。先週末はけっこうな混み具合で、私はイエローストーン川での半日フロートを二日行った。




半日フロートは何気に楽しい。丸一日と比べもちろん時間と距離は短いが、釣果が半分になるわけではない。各々の絶好スポットにボートを止めて、徹底的に攻略できる。また、ここイエローストーン川に沿って、しばしば午後の風向きは午前のそれと真逆になることがしばしばある。あるいは天候が昼を境にガラリと変わることもある。なので半日フロートなら、どちらか片方のパターンに気を使うだけで済むのだ・・・・・・・・・
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そして仕事が終わったら、自由時間!だってがんばって仕事したんだもん!今ここモンタナ南西部では、まだ夏の名残りがあり、それでいて秋が忍び寄っている状況。出かけられる内に出かけておかないと!クライアントをガーディナーのパークス・フライ・ショップにお送りしたあと、イエローストーン国立公園に進入した。目指すは私が一番好きなスルー・クリークの下流草原。ここのトラウトは、我々のフライを徹底的に検査するためにライズしてくる!!実際彼らは、私達のフライ・パターンとマテリアルする知っていると言ってもいい!!プイっと断られる方が、“寸止めキス”より、我々の心の傷は小さくて済む!!とはいえ、まず小さいながらしっかりファイトしてきたレインボーを捕まえた。

これは私の新型アント。これについては後ほど。次にはかなり大型のトラウトを合わせたのだが、このように逃げられてしまった!

もうひとつ超効果的なのはこのシンプルかつクラシックなパラシュート・アント。

 やった!!ついに大型のレインボーを手にした!!この背の盛り上がりを見よ!!典型的な下流スルーのレインボーだ!!

セルフ・タイマーでニコパチだ~~!!と思ったら、また“スルー”っと逃げられてしまいました・・・・

私のスプリング・クリークの経験から、夕方にはミッジが出るだろうと、強固な予感があった。このクイル・ミッジはリヴィングストンの三大スプリング・クリークでの必須フライだ。

夕暮れもう真っ暗なのにトラウトは小さいミッジ・ドライを良く見えていたようで、水面にバシバシ出てきた!


そのうちのトラウト一尾の協力を得て、胃のサンプルを採取したら、なんと驚き・おもしろの発見。英語しゃべっちゃってますけど、要はミッジのラーヴァがたくさん捕食されていてかつ、それらの数引きは消化されずに生きていたということ。


特に注目すべき補色物。羽アリ、サイズ14~16番。

そしてオクトーバー・カディス、サイズ10~12番。さっそく自らの新型フライを持って、クリークに戻ろう!明日か?
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とても充実している日々だ。“なんでクライアントよりデカイ魚釣ってるんだ!?”とか“クライアントに大きい魚を釣らせるのが、あんたの仕事だろ?”とか言わないでください・・・・・
確かにその通りかもしれないけど、スルー・クリークの難解さに挑戦したいクライアントいないんですもん。かなりのイライラとしばしば泣きを見るからかな・・・・・・・・そして何より、私は仕事を無事遂行させたのだから、その後は自由に自分が好きなところに釣りに行っていいのだ!

我々の釣りとガイドのシーズンはまだ続きます!秋のイエローストーンにぜひお越しを!!